学会長挨拶

本スポーツ社会学会第34回大会(岡山大学)開催に向けて
―新たな動きの始まり―

日本スポーツ社会学会第34回大会が2025年3月15日・16日、岡山大学津島キャンパスで開催されます。本学会は1991年に発足し、35年目を迎えます。本学会は先達の導きもあり独自の歩みを進めてきました。その歩みを踏まえ、「スポーツ社会学会としての成果を内外に発信しながら、足元を鍛えつつ、国際的な展開をどのように果たしていくのかが喫緊の課題である」という問題意識をもってこの2年間、皆様と取り組んでまいりました。

本学会大会では、学生会員によるフォーラム、研究委員会企画、Brent McDonald先生をお迎えした国際交流委員会企画など従来のプログラムの充実に加え、2つの大きな特徴が挙げられます。

1つ目は、学会大会史上最多の一般発表数です。国内外の発表者を含め、全体で51演題となりました。学会発表はお互いを高めあい、刺激しあう最高の機会であり、学会の足元を鍛える最良の場でもあります。熱い議論と交流を期待したいと思います。

2つ目は、台湾と韓国のスポーツ社会学会長をお迎えできることです。昨年、台湾で開催された「東アジアスポーツ社会学フォーラム」を契機として、本フォーラムを主管してくださった台湾スポーツ社会学会陳 子軒会長と、交流協定を結んでいる韓国スポーツ社会学会イ・ジョンレ会長をお迎えします。この間、金子史弥国際交流委員長をはじめ委員の皆様のご尽力により、3か国のスポーツ社会学会の交流と連携について議論できるセッションが設けられています。これを契機に国際化が進展することを望みます。

また成果の発信に関しては、学会創設30周年を記念した『スポーツ社会学事典』出版プロジェクト事業が進められ、本事典の編集委員会(委員長:菊 幸一、編集幹事:石坂友司、西山哲郎、松尾哲矢、編集委員:26名、編集顧問:8名、出版社:丸善出版株式会社)のもと、2025年3月に刊行されることになりました。精選された約300項目によって構成され、100名を超える会員に多大なるご協力をいただきました。学会大会でご紹介できる予定です。売上の一部は学会の運営費にも充てられますので是非お手元に、図書館に置いていただければ幸いです。

自由闊達で既存の枠を乗り越えようとする気概をもった方が多いのも本学会の特徴です。ぜひ多くの会員の皆様に参加いただき、新しい知見を得る場、相互触発の場、交流の場、高めあう場としての学会大会になることを心より願っております。

最後に、本学会大会実行委員会原 祐一委員長(岡山大学)はじめ実行委員の皆様の多大なるご尽力に心より厚く御礼申し上げますとともに心より敬意を表します。

皆様と岡山大学でお会いできることを楽しみにしております。

 日本スポーツ社会学会
会長 松尾哲矢(立教大学)