実行委員長挨拶

日本スポーツ社会学会第35回大会の実行委員会委員長を務めます、大沼義彦です。第35回の大会の中で、女子大学での開催は第1回大会の奈良女子大学以来2度目となります。

開催校の日本女子大学は、1901年、成瀬仁蔵により日本女子大学校として創設されました。2026年はちょうど125周年ということになります。成瀬は『女子教育』(1896)を著しましたが、同書はアメリカ視察の報告兼研究の結果というべきものでした。その第4章に「体育」が掲げられ、以来、本学では体育が必修とされ今日に至っております。

成瀬の訪米は1890-189年になります。実は、成瀬はアメリカの体育関係者とその時で会っています。ハーバード大学体育部長のサージェントです。そしてその関係でルーサー・ギューリックとスプリングフィールドYMCAに出会います。1892年12月のことでした。実は前値、同地ではバスケットボールが誕生した(1891年)ばかり。ほどなく成瀬はバスケットボールを日本に持ち帰ることになります(馬場哲雄, 2014; 片桐芳雄, 2021)。

成瀬は帰国後、梅花女学校で教えた後、日本女子大学校を設立しますが、そこでバスケットボールが実践されています(大会HP)。体育授業も日本体育会体操練習所(現日本体育大学)にて「唱歌遊戯」を担当していた白井規矩郎が着任し、女子体育の模索がなされていきました。ということで、本学の体育は日本のスポーツとも深い関りがあります。

本学にて、日本スポーツ社会学会第35回大会を開催できることを光栄に思っております。成瀬が日本の女子教育、女子体育の黎明期に成した挑戦のように、本大会もチャレンジ精神旺盛で活気に満ちた大会になればと存じます。多くの皆様のご参加をお待ちいたしております。

 

日本スポーツ社会学会第35回大会

実行委員会委員長  大沼 義彦