学生企画シンポジウム
日 時:2023年3月16日(木) 10:30~12:00
会 場:2133教室
大会参加者へのシンポジウム動画期間限定公開について
学会参加者は、このシンポジウムの記録動画を期間限定で視聴していただくことができます。視聴期限は3月21日(火)〜31日(金)です。期限内はいつでも視聴可能です。
視聴用のパスワードは大会実行委員会から参加者にメールでお知らせがあります。
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新国立競技場問題とは何だったのか
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(「東京2020大会」)の開催からはやくも一年が経った。コロナ禍開催に対しての賛否両論がメディアを賑わせた一方で、有形のレガシーとしてのスタジアムの維持管理、利用をめぐる問題等、今後考察すべき論点は山積している。さらに、国立競技場とその周辺エリアを含む都市の再開発問題については後景に退いてしまった感がある。
東京2020大会を対象としたメガ・イベント研究の蓄積においては、都市空間の変容に伴うジェントリフィケーションや「復興五輪」、ボランティア等の論点が提出されてきた。これらの研究蓄積の重要性を認識しつつも、これらは「スタジアムの外側」の議論ではなかったかという懸念もある。国立競技場の改修をめぐっては、デザイン案の白紙撤回があり、またデザイン決定後も無観客試合になるなど、当初の建築意図から大きくズレる形での開催に至った経緯がある。では、そもそも新国立競技場とは何を目指して建築され、大会が近づくにつれそこで問題視されるトピックがいかに変化し、現在に至ったのか。こうした「スタジアムの内側」の議論から、今後の都市空間のありようと私たちとの関係を考えることはできないだろうか。本シンポジウムの基本的な問題関心はここにある。
そこで本シンポジウムでは、建築空間を社会学的に考察した著作『創造性をデザインする――建築空間の社会学』(晃洋書房、2022年)の著者である牧野智和先生(大妻女子大学)と、「東京2020オリ・パラ大会で東京はどう変わるのか――東京五輪の開催と都市TOKYOの変容」(『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する――日本のスポーツ文化は変わるのか』(創文企画、2020年)所収)でオリンピック開催と都市空間の変容を都市計画の観点から論じた小澤考人先生(東海大学)をお招きし、都市計画上の新国立競技場の位置づけを確認したうえで、新国立競技場をめぐる問題とは何だったのかを検討したい。その作業から、スタジアムの「内側」と「外側」をつなげるような視点からメガ・イベントを捉える議論を目指したい。
話題提供者:
牧野智和(大妻女子大学)
小澤考人(東海大学)
担当:学生フォーラム世話人
小石川聖(早稲田大学大学院)
宮澤優士(筑波大学大学院)
菅原大志(東北大学大学院)
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