◆一般研究発表

【セッション1】ライフスタイル・スポーツ  座長:水野英莉

宮澤優士 筑波大学大学院 環境保全活動を通したサーファーの論理 ―千葉県長生郡一宮町の事例から―
髙崎雷太・井手口範男 森ノ宮医療大学・森ノ宮医療大学 アーバンスポーツにおける地域創生に関する調査 ―奈良県 田原本町スケートパーク設置3年半の事例—
市井吉興 立命館大学 資本主義リアリズムとスポーツ研究 ―フランクフルト学派のアクチュアリティを再考する―

 

【セッション2】スポーツ参画  座長:笹生心太

下窪拓也 新潟医療福祉大学 スポーツ観戦行動の社会経済的決定要因の検証
髙田侑子 順天堂大学 障害者がスポーツ非実施に至る要因の研究
本田桃子・原 祐一 岡山大学大学院・岡山大学 フィットネスクラブにおける婚外恋愛の発生要因
―スタッフの認識を手がかりに―
松原弘明 電気通信大学大学院博 『想像の共同体』としてのプロ野球球団

 

【セッション3】スポーツ文化  座長:坂なつこ

範麗娟 関西学院大学 地元住民が伝統を再創造することによる村落運営
―太極拳発祥地の陳家溝を対象として―
堀田文郎・松尾哲矢 立教大学大学院・立教大学 ボディビル競技における「のめり込み」に関する実証的研究
―競技者の「道理性」に着目して―
村下慣一 立命館大学大学院 なぜ富木謙治は合気道の競技化を志向したのか?―戦後日本社会の「フィギュレーション」の構造的変動を手掛かりとして―

 

【セッション4】学校体育・スポーツ①  座長:原祐一

高橋豪仁 奈良教育大学 中学校道徳科の教科書におけるスポーツ等に関する記述の検討
日高裕介 早稲田大学大学院 高等学校の体育に関する学科・コースの誕生
ー1950年代から1970年代後半を中心にー
高柿 健 城西大学 母校を率いる甲子園監督のフィールドマネジメント(4.0) ―インタビューデータによるM-GTA分析を通じて―

 

【セッション5】ルール・テクノロジー  座長:渡正

西城黎一 奈良教育大学大学院 ハンドボールにおける審判員の判定に関する研究 ―操作的判定に着目して―
岡田光弘 成城大学 テクノロジーと身体の社会学 —ビデオエスノグラフィー、ビデオグラファビリティという観点から―
青野桃子・竹内秀一 大阪成蹊大学・学習院大学大学院 健康管理圧力とテクノロジーとの関連について

 

【セッション6】スポーツ組織  座長:水上博司

千葉直樹 中京大学 名古屋市公立小学校部活動廃止に伴う外部委託事業に関する研究
張 寿山 明治大学・スフィーダ世田谷 スポーツにおける資金循環の視点からのスポーツ非営利法人のニーズについての考察 ―リーグピラミッド構造における下位リーグクラブの役割と重要性―
海老島均 成城大学 スポーツの公共性形成に向けての民間スポーツ組織の役割に関する研究 ―イギリスのユース・スポーツ・トラストに焦点を当てて―
木村宏人 千葉大学大学院 プロ・スポーツにおけるボランティアとは何か

 

【セッション7】スポーツと観光  座長:岡本純也 

小澤考人 東海大学 2020東京大会における観光・ツーリズム面のレガシー検証  ―メガイベント論の観点を評価軸として―
石原豊一 関西福祉大学 試論:「観光のまなざし」から見た「スポーツ労働移動」

 

【セッション8】学校体育・スポーツ②  座長:高橋豪仁

清野宏樹 北海道大学大学院 知的障害特別支援学校の体育授業におけるトレンドスポーツの導入とその可能性 ―クロスミントンの試み-
酒本絵梨子・上林功・原祐一・松本大輔 自由学園・追手門学院大学・岡山大学・西九州大学 全国小中高等学校における運動会が持つ機能
原 祐一 岡山大学 政策としての「豊かなスポーツライフ」
―アウトカムの不透明さは何を問わなくなったのか―

 

 

◆学会大会における各種委員会企画(全てライブ配信)のご案内
1)研究委員会
【研究委員会企画】
「オリンピック・パラリンピックをめぐる「理念」と「現実」の間で」
日 時:2022 年 3 月 20 日(日)13:30~16:00
東京2020 オリンピック・パラリンピック(以下、「東京2020 大会」)は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、近代オリンピック史上初となる1 年の延期を経て開催された。大会後に実施された各種世論調査では東京2020 大会を開催したことに対して肯定的に評価する人が多数派を占めたものの、大会の延期は結果的にオリンピック・パラリンピックのあり方を問い直す機会となった。すなわち、メディアなどを通じて国際オリンピック委員会(IOC)や東京2020 大会組織委員会の体質、放映権ビジネスに代表される商業(主義)化された大会運営、オリンピックと政治との関係性などに対する批判が広く展開され、一部の専門家だけでなく多くの人々を巻き込む形でオリンピック・パラリンピックをめぐる諸問題が議論されることとなった。
こうして多くの問題を抱え、批判にさらされながらも、オリンピック・パラリンピックはなぜここまで生きながらえてきたのだろうか。それは、オリンピック・パラリンピックが様々な「理念」を掲げて開催される希有なスポーツイベントだからであろう。たとえばIOCはオリンピック憲章の中で、オリンピズムの目的を「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進」と定めるとともに、IOC の使命と役割のひとつとして「オリンピック・ムーブメントに影響を及ぼす、いかなる形態の差別にも反対し、行動する」ことを謳っている。同様に、国際パラリンピック委員会(IPC)は、「パラスポーツを通じたインクルーシブな社会創出」を組織の活動を支えるビジョンとして打ち出している。さらに、今回の東京2020 大会が、大会の基本コンセプトのひとつとして、「多様性と調和」を掲げていたことは記憶に新しい。
一方で、組織委会長だった森喜朗氏による「女性蔑視」発言の例を待たず、オリンピック・パラリンピックの「現実」はそれらが追い求める「理念」とはほど遠いとの指摘もある。実際、東京2020 大会でもSNS 上でのアスリートに対する誹謗中傷がかつてないほど巻き起こり、トランスジェンダーのアスリートの出場に対して否定的な意見もみられた。また、義足のアスリート、マルクス・レーム選手が望んでいたオリンピック出場は叶わなかった。そもそも、オリンピック・パラリンピックから「排除」されている人々も存在するし、スポーツ界の「外」に目を向けても多様性を尊重する社会や共生社会が実現されているとは到底言い難い。
とはいえ、東京2020 大会をめぐっては、組織委員会主導のもと、「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現することを目指した様々な活動(「アクション」)が展開されたのも事実である。また、パラリンピックは試合中継時間の長さもさることながら、関連番組や特集記事など各メディアにおいて数多く取り上げられた。加えて日本全国では、「ホストタウン」や「共生社会ホストタウン」となった自治体において、異文化理解や「心のバリアフリー」を目指す取り組みが進められた。
こうした活動や報道、取り組みを支えた人々は、オリンピック・パラリンピックが追求する「理念」と突きつけられる「現実」の間で、どのように東京2020 大会と向きあってきたのだろうか。本シンポジウムでは、そうした方々にその「経験」や「葛藤」を共有して頂きながら、イデオロギー批判に留まらない、オリンピック・パラリンピックのスポーツ社会学的研究の方向性を模索してみたい。

シンポジストおよび演題:
野口 亜弥(プライドハウス東京理事/アスリート発信チームリーダー)
「東京2020 大会が日本のLGBTQ+ムーブメントに及ぼした影響
-プライドハウス東京コンソーシアムを事例に-」
山田 潔 (日本放送協会放送文化研究所研究主幹)
「東京2020 パラリンピックを経て見えてくるもの~放送メディアの視点から~」
髙木 知幸(平塚市企画政策部オリンピック・パラリンピック推進課主査)
「市民と共に育んだリトアニアとの友好の絆」
指定討論者:
西山 哲郎(関西大学)
司 会:高峰 修(明治大学)

 

【学生企画シンポジウム】
「コロナ禍(新型コロナウイルス感染拡大下)における社会調査」
日 時: 2022 年3 月19 日(土) 10:30~11:40
従来、社会学の手法は量的手法と質的手法に大別されてきた。本シンポジウムでは、それぞれの手法を用いて成果を上げている研究者を招き、コロナ禍において社会調査にどのような問題が生じたのかを振り返りつつ議論する。
今回のテーマは、質的手法を用いている世話人の間で、コロナ禍において「調査地に赴く困難をどう考えるのか」という問題意識が共有されたことから生じた。人との物理的接触が制限される状況において、修士論文や博士論文をいかに書くか、壁に突き当たっていた学生会員も多いのではないか。
一方で、『スポーツ社会学研究』第29 巻第1 号の特集で「社会調査のトライアンギュレーション」が取り上げられたことなどからも、量・質双方を踏まえた議論をする必要があると考えられた。そこで、量的手法においてもコロナ禍の影響がどのように出ているのか(あるいは出ていないのか)を把握したい。
また、上記学会誌の特集においては、秋吉(2021)のレビューで近年の研究手法の偏りが指摘されている。これを踏まえ、コロナ禍の社会調査を振り返ることを通して、今後のスポーツ社会学における手法及び方法論をどのように考える必要があるのか、若手研究者が議論する機会を提供したい。
付け加えておくと、便宜的に量・質という区分をしたが、文献調査やメディア分析がスポーツ社会学において成果を上げてきたこともまた事実だろう。登壇者・世話人も含めた参加者が、それぞれの採用する手法と他の手法の方法論的な違いや関係性への認識を深め、それらをどう接続していけるのかを発展的に議論する機会となれば幸いである。

司 会:学生フォーラム世話人
菅原 大志(東北大学大学院)
小石川 聖(早稲田大学大学院)
宮澤 優士(筑波大学大学院)
話題提供者:
村田 周祐(鳥取大学)
大勝 志津穂(愛知東邦大学)

2)大会実行委員会
【大会実行委員会企画】
「パラリンピックを学際的に紐解く」(公開企画)
日 時:2022 年3 月19 日(土)15:20〜16:50
2021 年8 月24 日から9 月5 日まで、東京2020 パラリンピック競技大会(以下、東京2020)が開催された。原則無観客であったものの、NHK は過去最長時間の放送を行い、民放各社についても生中継を実施し、関連番組を多く制作する等をしたことから、パラリンピアンたちのパフォーマンスに魅了された人も少なくないのではないか。メダル獲得数が過去2 番目に多いことも踏まえると、今後は競技力向上もさることながら、わが国でパラリンピックを含めた障がい者スポーツ全般に興味・関心を持つ人が増え、「みる」や「支える」といった形での普及も期待される。そしてそのことが共生社会の実現に何らかの形で繋がるためには、何が求められるのかという議論に真剣に取り組むフェーズに、私たちは差し掛かっているように思われる。
そこで、東京 2020 の女子マラソン(T12 クラス)で金メダルを獲得した道下美里選手をサポートした志田淳氏と青山由佳氏に、東京2020 から垣間見えたパラリンピックの現状と課題、ならびにその魅力を語ってもらう。また、田中彰吾氏には、現象学的身体論の立場から、パラリンピック並びに障がい者スポーツがひらく、学問的な論点を解説していただき、トークセッションを通してパラリンピックを学際的に紐解いていくことを目指す。加えて、大学による社会貢献/地域貢献という実践的観点からも、障がい者スポーツの課題と可能性について問題提起していく予定である。
なお、本企画は公開企画とする予定である。スポーツ関係者のみならず、一般の方々にも公開することで、多様なまなざしを含めることができる。また、パラリンピックに関する議論を一過性で終わらせず、持続的な議論の発展に寄与する企画としたい。

登壇者:志田 淳(NEC)
青山 由佳(相模原市役所)
田中 彰吾(東海大学)
司 会:内田 匡輔(東海大学)
秋吉 遼子(東海大学)